eMemoryとPUFsecurity、世界初となるPUFベースのポスト量子暗号ソリューションをリリース

(台湾 新竹、2025年3月3日)組み込み型不揮発性メモリ(eNVM)ソリューションの世界的リーダーである eMemory Technology Inc. と、その子会社で PUF (Physical Unclonable Function) ベースのセキュリティIP開発のパイオニアであるPUFsecurityは本日、世界初のPUFベースのポスト量子暗号 (Post-Quantum Cryptography: PQC) ソリューションをリリースしたと発表しました。eMemoryの最先端 NeoPUF 技術と進化した PQC アルゴリズムを組み合わせたこの画期的なイノベーションは、次世代コンピューティングに比類のない安全性を提供します。これにより、量子コンピューティングがもたらす新たな脅威からデバイスを守ることができます。

量子コンピューティングの急速な進歩に伴い、RSA暗号や楕円曲線暗号(ECC)などの従来の暗号システムは、量子攻撃に対してより脆弱になっています。これに対し、eMemoryとPUFsecurityは、鍵カプセル化用Kyber(ML-KEM)やデジタル署名用Dilithium (ML-DSA) などの PQC アルゴリズムに、NeoPUF 技術固有のランダム性と一意性を活用して、将来を見据えた新しいソリューションを開発しました。PUFsecurityの暗号コプロセッサ(PUFcc)はハードウェア Root of Trust (信頼の基点)IP (PUFrt) を内蔵し、PUF が生成するランダム性を PQC のシードとして使用します。最新のアプリケーションに対して高効率性とスケーラビリティを維持し、クラウドコンピューティングから IoT デバイスに至るまで、量子的脅威に対するレジリエントな(抵抗力のある)保護を確実にします。

この画期的なPUFベースのPQCソリューションは、外部からの鍵導入を必要とせず、オンチップで量子耐性のある鍵を作ることができます。NeoPUFはシリコンチップの自然なばらつきを利用した量子トンネリング・メカニズムにより、非常にランダムで複製不可能な識別コードを生成します。この技術は、鍵の生成、保存、および、認証にとって安全を確保するための基盤技術であり、従来の鍵生成プロセス方法での脆弱性が排除され、耐量子セキュリティへのよりシンプルで低コストのソリューションを提供します。

eMemory と PUFsecurity の創設者であるチャールズ・シュー (Charles Hsu) は、こう述べています。「我々は、世界初の PUF ベース PQC ソリューションを発表できることを嬉しく思います。eMemory と PUFsecurity は未来のコンピューティングの安全性を確保するための最前線にいます。量子コンピューティングの脅威が迫る中、eMemory と PUFsecurity は共同で、今日のセキュリティニーズに応えるだけではなく、パートナーや顧客の明日のチャレンジのために、先を見越したハードウェアベースのソリューションを提供します」

HNDL 攻撃に対抗するため、世界中の政府や産業界が PQC の標準化に向けた取り組みを加速させており、今まさに重要な時期であるため今回の発表に至りました。HNDL 攻撃とは「Harvest Now, Decrypt Later (今収穫し、後で解読する)」攻撃の略で、現在暗号化されている機密データが、将来、量子コンピューターによって解読されてしまう脅威のことです。このような問題に対処するため、このPUFベースPQCソリューションは、耐量子暗号技術をシリコン上に直接組み込むことにより、そのデバイスのライフサイクルにわたるデータ保護を保証します。

eMemory の社長であるマイケル・ホー (Micheal Ho) は次のように付け加えています。「セキュリティはコネクテッドワールドの礎であり、当社の新しいPUFベースPQCソリューションは、信頼性とレジリエンス(抵抗力)の新たな基準を打ち立てるものです。当社の組み込み用メモリの専門知識とPUFsecurityのハードウェア・セキュリティにおけるリーダーシップを組み合わせることで、チップ設計者が安全な耐量子暗号システムを確実に構築できるようになりました」

このソリューションは現在入手可能です。複数の異なるファウンドリ・プラットフォームにもシームレスに導入できるように設計されており、AI、自動車、クラウド・インフラストラクチャーはもちろん、それ以外のアプリケーションにも柔軟に対応できます。eMemoryとPUFsecurityは、お客様と共にこのイノベーションが如何にお客様のセキュリティ戦略を強化出来るかを探求し、来たる量子時代に備えた戦略を構築します。

詳細については、sales@ememory.com.tw または info@pufsecurity.com までお問い合わせください。

eMemoryについて

eMemory Technology Inc.(TPEX:3529)は、組み込み型不揮発性メモリIPの世界的なリーディングプロバイダであり、会社を設立した2000年以来、延べ2,600社を超えるファウンドリ、IDM、ファブレス企業に当該技術では最良のソリューションを提供しています。eMemory はイノベーションに注力し、NeoPUF、NeoBit、NeoFuse等のeMemoryの技術は、安全性が確保された効率的な半導体設計を世界的に可能にしています。

PUFsecurityについて

PUFsecurity はeMemory の子会社として2019年に設立され、PUFベースのセキュリティIPソリューションの開発・提供に特化している企業です。PUFsecurity は、eMemory のNeoPUFとOTP技術を活用し、PUFrt (Root of Trust: 信頼の基点) やPUFcc (Crypto Coprocessor: 暗号化コプロセッサ) 等の革新的なハードウェア・セキュリティ・モジュールを開発し、次世代のコネクテッドデバイスの安全確保と認証を行っています。

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