eMemory のセキュリティ強化OTPが高性能車載チップに特化したTSMC N5A プロセスの認証を獲得

(台湾 新竹、2024年7月3日)eMemory の NeoFuse OTP のセキュリティ強化バージョンが、車載用に特化したプロセスである TSMC N5A プラットフォームの認証を獲得しました。自動運転や電気自動車の要求が高まる中、車載チップには厳密な安全基準を満たした上で、高性能の計算処理能力が不可欠となっています。N5Aは、現在スーパーコンピューターに使われている技術を車載用に適用するものです。N5 の性能、電力効率、およびロジック集積度をそのまま維持しつつ、自動車の安全および品質基準の厳格な品質および信頼性要求を満たしています。

TSMC N5A プロセスの NeoFuse OTP は、高性能かつ低電力消費が要求される多くのアプリケーションをサポートするだけでなく、さらに、セキュリティの強化という利点を備えています。このセキュリティ強化版の OTP マクロには、ハードウェアの信頼の基点 (Root of trust) をシリコンに埋め込んだ、eMemory の知的財産である物理複製困難関数 (Physical unclonable function: PUF) が採用されています。メモリアレイは、広いデータ入出力幅に対応する設計となっており、信頼性をさらに高めるためユーザーが ECC 機能を付加する場合には必要な IO を容易に追加することができます。この IP は、Electromigration/Aging 項目を含む完全なデザインシミュレーションが可能で、N5A プロセスで追加されたデザインルールを順守しています。動作条件に関しては、許容温度は 150°C まで拡張され、また、電源電圧範囲も広いため、車載用アプリケーションの多種多様な要求と厳格な規定に対応することができます。長年、市場をリードしてきた経験を生かし、eMemory OTPは N5A プロセスにおいても追加のマスクは一切不要で、コスト削減に大いに貢献しています。

eMemory のビジネス開発部のシニアバイスプレジデント、クリス・ルー (Chris Lu) はこう述べています。「近年、ユーザーの運転体験からの期待により、自動車のエレクトロニクス化が急速に推進されています。自動運転、インフォテインメントのアップグレード、および電気自動車などに期待が寄せられています。これらの要求を実現するために、多くの IC に、最高レベルの安全性を確保しつつ高性能の計算ができる機能が要求されています。eMemory のN5A プロセスNeoFuse OTP は AEC Q-100 などの安全規格を順守し、その要求性能を実現しています。私たちのソリューションに期待を寄せているお客様がいらっしゃることをうれしく思います。私たちは、進化し続ける業界において他社にないサービスを提供し、高信頼性の IP を供給し続けてまいります」

TSMCのHead of the Ecosystem and Alliance Management Division、ダン・コクパチャリン氏 (Mr. Dan Kochpatcharin) のお話です。「より新しい、より強力な車載アプリケーションに対する計算能力への絶え間ない要求、たとえばAI による運転支援などに答えるために、 TSMC は、弊社のオープンイノベーションプラットフォーム (Open Innovation Platform®: OIP) のエコシステムパートナーと緊密に連携しています。eMemory との最新の協業によって、TSMC の最先端技術による実証済みのソリューションをお使いいただき、次世代の車載アプリケーション用に、かつてないレベルの高電力効率と高性能を実現できる設計技術をお客様にご提供いたします」

eMemory は、AI、モバイル、およびクラウドサーバーに加えて、次世代の車載コンピューティングのため、高品質かつ高信頼性の IP ソリューションを引き続き提供することに注力してまいります。

##

eMemory について

eMemory (TPEX:3529) は、ロジックベースの不揮発性メモリー (Logic NVM) の開発・製品化の専業メーカーとして2000年に創設されました。2019年には、卓越したアンチヒューズおよび物理複製困難関数 (PUF) 技術を元に、PUFベースのセキュリティIPソリューションの提供を開始しました。ワンタイムプログラマブルメモリーでのブレークスルー(NeoBit/NeoFuse) に成功し、引き続き、IPのポートフォリオを、マルチタイムプログラマブルメモリー (NeoMTP/NeoEE)、Flash メモリー (NeoFlash)、および、PUF 技術などに拡大しました。さらに、子会社である PUFsecurity と共に、eMemory はセキュリティ事業に参入しました。Root of Trust モジュール PUFrt、および、Crypt Coprocessor PUFccからなる革新的な PUF ベースのセキュリティサブシステムとソリューションを提供しています。eMemory は、世界をリードするIPプロバイダーとして、優れた設計品を世界中のファンドリー、IDM、および、ファブレス会社に 2,400個以上も出荷しており、パートナーと共に先端アプリケーションの包括的な技術開発を推進しています。

eMemoryのより詳細な情報についてはwww.ememory.com.tw をご覧ください。

Share:

Related Posts

eMemoryとPUFsecurity、世界初となるPUFベースのポスト量子暗号ソリューションをリリース
NVM(不揮発性メモリ)とチップ組み込みセキュリティ技術を強力に推進
eMemory、画期的なSRAM リペアツールセットでシーメンスと協業:NeoFuse OTPとTessent MemoryBIST を統合